作戦ボードで決めるのは、誰をコートのどこに置くかです。並びが決まっていないと、サーブのたびに「自分はどこ?」が始まり、ローテーションが回るたびに崩れます。ここでは、作戦ボードに何を描けばいいかを、6人制を基本に順にまとめます。
ルールそのものはバレーボールのルールの記事に、9人制やソフトバレーとの違いは競技区分の記事にあります。
コートの番号を先にそろえる
作戦ボードの話は、位置の番号で通じるようにしておくと早く済みます。6人制では、自分のコートを6つに分けて番号で呼びます(競技規則 7.4.1)。
| 列 | レフト | センター | ライト |
|---|---|---|---|
| 前衛(ネット際) | 4 | 3 | 2 |
| 後衛 | 5 | 6 | 1 |
1 の位置の人がサーブを打ちます。 サーブ権を取り返すと時計回りに1つずつ回り、2 の人が 1 へ下りてサーブ、1 の人は 6 へ移ります(規則 7.6.2)。「S1」「ローテ1」のように、セッターがどの番号にいるかでローテーションを呼ぶチームが多いです。
最初に決めるのはスタメンの順番
スタメンの順番(スターティングラインアップ)は、そのセットのあいだ変えられません(規則 7.3.1)。ここを間違えると6つのローテーションすべてに響くので、作戦ボードで最初に描くのはこれです。
基本は同じ役割の2人を対角に置くことです。対角とは、番号が3つ離れた位置(1 と 4、2 と 5、3 と 6)。こうすると、どのローテーションでも前衛と後衛に1人ずつ残ります。
- 5-1(セッター1人) —— セッターの対角にオポジット。アウトサイド2人とミドル2人もそれぞれ対角に置きます。トスを1人に任せたいチーム向けで、いちばん多い形です
- 4-2(セッター2人) —— セッター2人を対角に置き、前衛に来たほうがトスを上げます。セッターを1人に決めきれないチーム向けで、覚えることが少なく済みます
- 6-2(セッター2人) —— セッター2人を対角に置き、後衛に来たほうがトスを上げます。前衛でいつも3人が打てますが、セッターが打てることが前提です
5-1 では、セッターが前衛にいる3つのローテーションで、前衛のアタッカーが2人になります。どのローテーションで攻撃が薄くなるかを、ボードで6枚並べて確かめると、相手のサーブで狙われやすい場面が先に分かります。
サーブの瞬間の並び(2025年から変わった)
サーブを打つ側の選手は、サーブの瞬間にどこにいてもよくなりました。国際バレーボール連盟(FIVB)の2025〜2028年の競技規則で変わり、日本バレーボール協会の「2026年度版 6人制競技規則」も同じ書き方です(規則 7.4)。
| サーブの瞬間 | |
|---|---|
| サーブを打つ側 | サーバー以外もコートの中ならどこにいてもよい |
| サーブを受ける側 | ローテーションの順に並んでいなければならない |
受ける側の決まりは以前と同じで、足の位置で見ます(規則 7.4.3)。
- 前後:後衛の人は、自分の前にいる前衛の人(1 と 2、6 と 3、5 と 4)より、ネットから遠い位置にいる
- 左右:同じ列のなかで、レフト・センター・ライトの順を守る(たとえば 3 の人は、4 の人より右、2 の人より左)
サーブレシーブの並びを作戦ボードで描く理由の多くは、ここにあります。後衛のセッターを前衛の人の「後ろに隠す」ように置くなど、決まりを守りながら受けやすい形を作るには、紙の上で一度並べてみないと分かりません。間違えると「アウトオブポジション」(ポジションの反則)で相手に1点です。
協会の規則には、FIVB の世界大会では受ける側も「サーバーがトスした瞬間から」動いてよい、という注記があります。国内の大会、とくに中学・高校や地域の大会は、年度ごとの取り扱いが別に出ることがあります。 出る大会の要項で確かめてください。
サーブレシーブの形
サーブを何人で受けるかで、ボードに描く並びが変わります。
| 受ける人数 | 良いところ | 難しいところ |
|---|---|---|
| 5人(セッター以外。W の字の形) | 1人が受け持つ範囲が狭い | 人と人の間に落とされやすい。誰が取るかで迷う |
| 4人(5人のうち1人、多くはミドルを外す) | 外した人がすぐ攻撃に入れる | 4人の受け持ちを決めておく必要がある |
| 3人(リベロとアウトサイド2人) | 残りの人は攻撃に集中できる | 受ける3人にレシーブの力が要る |
どの形でも、隙間の受け持ちを先に決めるのが要です。2人の間に来たボールをどちらが取るかを、ボードの上で線を引いて決めておくと、お見合いが減ります。
動きは矢印で描く
並びだけでなく、サーブのあとに誰がどこへ動くかも描いておくと、練習で迷いません。
- 後衛のセッターが前へ出る動き。 受ける側のとき、後衛のセッターはサーブの瞬間まで決まりどおりの位置にいて、打たれたらネット際のトスを上げる場所へ走ります
- 得意な位置への入れ替わり(スイッチ)。 たとえばセッターはライト寄り、ミドルは真ん中へ。サーブを打つ側は2025年からはじめから好きな位置に立てるので、入れ替わりが要るのは主に受ける側のときです
- 攻撃の入り方。 誰がどこから助走するか、どのテンポで打つか
矢印を描きすぎると読めなくなります。1枚に描くのは1つの場面だけにして、「S1 のサーブレシーブ」「S1 のサーブを打つとき」のように枚数を分けるほうが伝わります。
9人制・ソフトバレー・ビーチでは
| 形式 | 作戦ボードで描くもの |
|---|---|
| 9人制 | ローテーションはありません。 位置は自由で、サーブだけ決めた順に打ちます。前衛・中衛・後衛に誰を置くかを描きます |
| ソフトバレー | 4人でプレーし、ローテーションがあります。並びの細かい決まりは連盟の競技規則で確かめてください |
| ビーチバレー | 2人なので並びより「どちらがブロックに跳ぶか」「どちらが受けるか」を決めます |
ホワイトボードと写真では残らないもの
スポーツ用品店や通販では、マグネットを置けるホワイトボードの作戦盤が売られています。その場でみんなに見せるにはいちばん早い道具ですが、続けていると困ることが出てきます。
- 消すと残らない。 先週決めたサーブレシーブの形を、誰も正確に覚えていない
- 休んだ人に届かない。 写真を撮ってメッセージアプリに流すと、ほかの話題に埋もれて探せない
- 何枚も持てない。 6つのローテーションと、サーブを打つとき・受けるときで12の場面がある。1枚のボードでは描いては消すことになる
作戦ボードは「決めたことを残しておく場所」として使うと、価値が上がります。名前を付けて何枚も残し、試合の前日に全員が見返せるようにしておくと、当日のコートで説明する時間が減ります。
作戦ボードを使うときのコツ
- 1枚に1つの場面。名前で中身が分かるようにする(「S1 サーブレシーブ」など)
- 6つのローテーションを全部並べる。弱いローテーションが見つかる
- 描いたら、コートに立って確かめる。紙の上では届く距離が、実際には届かないことがある
- 助っ人や新しい人の分も描く。いつものメンバーがそろわない日の並びも残しておく
- 相手ごとに作り直しすぎない。並びは基本の形を1つ決めて、変えるところだけ描く
Rocks では、どうしているか
Rocks には、チームで共有する作戦ボードがあります。チームの画面のアイコンから開きます。
- コートにメンバーを置く —— チームのメンバーから選ぶか、助っ人などは「名前を入れて足す」から置きます。指で動かして並べます
- ローテーション —— 6人制とソフトバレーでは、ボタン1つで時計回りに1つ回せます。「1つ戻す」もあります。1 の位置の人の名前には「(サーブ)」と添えます
- 動きの矢印 —— コートの上をなぞって線を引きます
- 何枚でも残せる —— 「スタメン」「S1 サーブレシーブ」のように名前を付けて保存します
- 見られるのはチームのメンバーだけ —— 作る・直すのはキャプテンとメンバー管理者です
- 画像で送れる —— コートを画像にして、メッセージアプリなどで共有できます
並びを決める前後のことも、同じチームの中で済みます。
- 予定と出欠 —— 試合の日に誰がそろうかが、並びを考える前に分かります
- チームトーク —— メンバーだけで並びの相談ができます
- 試合の記録 —— 出場したメンバーを書き残せます。どの並びで勝てたかを、あとで振り返れます